ウイルスは朝型?睡眠不足は免疫機能にも大きな影響

 体温、血圧、ホルモン分泌など、生体活動のありとあらゆるリズムを調整している体内時計。最近、ケンブリッジ大学などでの研究で、ウイルス感染は朝に起こりやすいことが示された。私たちの免疫機能も、体内時計に大きな影響を受けているようだ。いつまでも若く健康に過ごすためには、体内時計の仕組みを知ることが必須といってもいいかもしれない。

パンデミックを予防する新たな方法とは?

 日中の活動によって傷んだ細胞や、紫外線によって傷つけられた遺伝子は、睡眠中に修復される。また、成長ホルモンの働きによって、体の種々の細胞が再生され、免疫力が高まる。傷が治ったり風邪が治ったりする――いわゆる「自己治癒力」――を促すのが成長ホルモンであり、睡眠である(※1)。免疫力が高まるということは、がんにもなりにくくなるということだ。

 また、ケンブリッジ大学の研究で示された、ウイルス感染は朝に起こりやすいという事実は、私たちのウイルスに対応する免疫機能の働きは朝低いということであり、それだけでなく、ウイルスの増殖機能は朝高いことを示唆している。このことは、ウイルス感染のパンデミック(世界的大流行)を予防する新たな手立てとなる可能性がある。

睡眠不足 その深刻な影響とは?

 睡眠は、私たちの疲労した脳や体を休息させ、回復させる。睡眠不足だと元気がなくなったりイライラしたりするが、睡眠不足の長期化でそれが積み重なると、取り返しのつかない大問題を引き起こすことにもなる。

 例えば、次のようなトラブルが挙げられる(※1)。

・脳機能がうまく働かなくなり、記憶力、判断力、問題解決力などが低下する
・精神的不安定になり、うつ病などの精神疾患になることがある
・高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病にかかりやすくなる
・免疫力が低下し、がんや感染症になりやすくなる
・内蔵の働きが低下する
・肌が荒れる
・老化が促進される

引用:「長生きの健康常識はウソばかり」 根来秀行

 このように、睡眠が私たちのライフスタイルに与える影響は計り知れない。常日ごろから睡眠に対する意識を高めることで、生き生きとした健康な生活が送れることは間違いない。

不規則な生活が及ぼす影響はとても大きい

 私たちは、地球のリズムに合わせて24時間の生活リズムで生活をしている。体もそのようにできていて、血圧、ホルモン分泌、睡眠・覚醒リズムなども、24時間の規則正しい“体内時計”を持っている。

 しかし、昼夜問わず活動的な現代社会において、このリズムは乱れがちだ。すると、睡眠障害だけでなく、高血圧、肥満、糖尿病といった生活習慣病のリスクや、免疫力の低下によるがんや感染症のリスクも大きくなる(※2)。不規則な生活が及ぼす影響はとても大きく、決して軽視できるものではない。

出典

引用・参照
※1:「長生きの健康常識はウソばかり」 根来秀行
※2:睡眠医療プラットフォーム http://sleepmed.jp/platform/entry17.html
参考:Proceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS). Cell autonomous regulation of herpes and influenza virus infection by the circadian clock Rachel S. Edgar., et al. http://www.pnas.org/content/early/2016/08/10/1601895113
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監修者

ライター / Hashimoto.M

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