眠りたいのに眠れない…不眠に悩む人へ送るTIPS日常生活編

良質な睡眠のためには生活習慣や睡眠環境といった「睡眠衛生」を整えることが大切である。しかし、「眠りたいのに眠れない」と不眠に悩む人はこの「睡眠衛生」が不適切な場合もある。日常生活で少し工夫を凝らすことで、快眠をサポートする生活習慣を身に付けることができる。

朝のウオーキング習慣はいいことづくし

朝のウオーキング習慣で効率良く快眠生活を身に付けることができる。まず、朝日を浴びることによって、体内時計がリセットされる。体内時計を整えることは、快眠の基本中の基本で、それによって、自律神経が整えられ、睡眠に重要な神経伝達物質であるセロトニンも分泌される。さらに睡眠ホルモンであるメラトニンが夜に分泌されるのを促す。

また、習慣的な行動は、快眠に好影響をもたらす。ウオーキングの後で、シャワーを浴びること、朝食を取ることなどは交感神経を刺激してスッキリした目覚めにつながり、日中の活動の準備が整う。日中、交感神経がしっかり働くことは、夜の副交感神経への切り替えをスムーズにし、良い睡眠を得ることを可能にする。

上手な昼寝の取り入れ方

上手に昼寝を取り入れることで、疲れを取ることができる。昼寝は10〜15分程度でも十分効果がある。また、30分以上昼寝をすると、かえってすっきり目覚めるのが難しくなる。1時間以上昼寝をする習慣がある人は、夜間の睡眠に悪影響を与えている可能性があるため、見直す必要があるかもしれない。諸説あるが昼寝は10〜20分程度。あまり長すぎないのが良い。

眠る3時間前の照明切り替えが良い睡眠のポイント

眠る3時間くらい前から部屋の照明を少し暗めに設定するのが良い。夜になると睡眠を促すメラトニンの分泌が徐々に増えるが、明るい環境では分泌が阻害されてしまうからだ。テレビ、パソコン、スマートフォンなどのディスプレーからの強い光も、なるべく避ける必要がある。

上手な入浴の方法

就寝の1〜2時ほど前に入浴を済ませておくことで、睡眠に適した体温に調整することができる。熱すぎるお風呂に長時間入るのは睡眠に逆効果で、少しぬるめのお湯(38-41度)が良い。私たちの深部体温は眠りに向かって徐々に下っていく。入浴によって体温をいったん上昇させておくことで、その後のスムーズな体温低下を導くことができる。

さらに、入浴にはリラックス効果もあるので、眠る前に入浴してストレス解消にも役立つだろう。

眠る前はリラックスを

ストレスは快眠を妨げるので、眠る前にストレスをできるだけ軽減する必要がある。眠る前の入浴、軽いストレッチ、音楽、アロマ、笑うこと、腹式呼吸など、ストレスが解消できてリラックスできることは色々ある。ここでは、だれでも簡単にできるリラックス法として、体の筋肉をほぐす筋弛緩(しかん)法をご紹介する。

体の筋肉をほぐす簡単な方法

あおむけになって目を閉じ、全身の力を抜く。そして、片方の手にぎゅっと力を入れて(70%程度の力)、5秒ほど維持する。その後、全身の力を抜き、10秒ほどそのまま全身の筋肉の弛緩状態を維持する。これを左右の手で交互に2〜3回行う。筋肉を意識的に弛緩させることによってリラックス効果が得られる。

もう1つ、眠る前の簡単なリラックス法として、認知的弛緩法がある。言葉は難しいが、中身はとても簡単である。自分がリラッスクできるイメージを頭の中で描きながら眠る方法である。筋弛緩法と認知的弛緩法のどちらでも、寝付きが良くなることが知られているので、組み合わせて実行することもお勧めだ。

眠る前にあれこれ考えてストレスを感じたり、眠らなければと必要以上に意識したりすることは睡眠を妨害してしまうのでできるだけ避けた方がよい。