良い睡眠には、夜にしっかりと副交感神経が活動することが大切です。しかし、現代人の生活は不規則になりがちで、夜になっても交感神経から副交感神経への切り替えがうまくいかない場合もあります。
交感神経が優位なままだと、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりして、不眠の原因となります。
不眠なときは、意識的に心身の緊張を解いてリラックスすることで、副交感神経への切り替えをするのが良い。そこで、誰でもできる簡単なリラクゼーション法として腹式呼吸法を紹介します。
私たちの呼吸は自律神経に支配されており、普段は無意識に行っています。肋骨(ろっこつ)の筋肉を収縮させて、胸を大きく広げて、肺に空気を取り込んでいます。
しかし、呼吸は意識的にコントロールすることも可能で、これを利用したのが腹式呼吸です。
腹式呼吸では横隔膜(肺の下に位置し胸腔と腹腔を隔てている筋肉)を意識的に動かし、胸部をできるだけ動かさず、おなかを前方へ突き出して行う呼吸です。
呼吸によって収縮する横隔膜の周辺には、自律神経が密集しており、そこを複式呼吸で刺激することによって交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできるようになります。
複式呼吸によって、腹筋をはじめとする全身の筋肉の弛緩(しかん)を促すことにつながり、同時に内臓への刺激にもなるので、リラックス効果、血圧抑制効果、脳活性化効果などがあると考えられています。
ヨガも、腹式呼吸をうまく取り入れた健康法の1つです。
腹式呼吸の方法はいろいろあるので、実践法をいくつか紹介します。
1, 姿勢を楽にして座る
2, おなかと胸の動きを意識して、ゆっくりと深く呼吸する
3, おへその上に軽く手をのせ、息を吸うタイミングで数センチ、おなかが膨らむように
4, 息を吐く時にはおなかが数センチへこむことを感じ取り、そのときに胸も上がることを意識する
1, 息を吸ったら1カウント、吐いたら1カウント、10から0まで数を減らしながらカウントダウンして呼吸をする
2, カウントが0になったとき、リラックスできていないと感じたら、もう一度繰り返す
1, 1から4まで数えながら、息をゆっくり吸う
2, 次に、1から4まで数えながら、ゆっくり息を吐く
3, これを数回繰り返す
1, 息をゆっくり深く吸ったら、2〜3秒ほど息を止める
2, 息をゆっくり深く吐いたら、2〜3秒ほど息を止める
3, これを数回繰り返す
腹式呼吸の良い点は、自律神経のバランスを整え、交感神経を抑制し、副交感神経を優位にすることです。
日常生活でストレスを感じている方は、眠る前だけでなく、1日に数回数分ずつ、腹式呼吸の時間を取り入れてみると良いでしょう。
ちょっとした空き時間やストレスを感じた時に実践すればリラックス効果を得ることができます。
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