眠る前のリラックスのために音楽を使うのは有効な方法である。一方で、騒音は睡眠を妨害するので、できるだけ軽減する必要がある。快眠のために音をうまくコントロールすることはちょっとした工夫で簡単にできるので、是非とも試していいただきたい。
睡眠を妨げる騒音は、さまざまな方法で軽減できる。騒音の種類にもよるが、例えば寝室が道路に面していて車の音などの交通騒音がひどい場合は、窓に紫外線防止フィルムや防犯フィルムを貼ったり、遮音カーテンや遮光カーテンをつけたりするだけでかなり軽減できる。
隙間テープを貼って、窓の隙間から入ってくる音を少なくすることも有効だ。また、ベッドや布団をなるべく窓から離す。予算が許せば、防音ガラスや防音サッシに替えたり、二重サッシにしたりすると、さらに高い遮音効果が得られる。
アパートやマンションに住んでいて、寝室が隣の部屋のトイレや台所、浴室などの水回りと接している場合は、ちょっと工夫が必要だ。隣との壁に家具などを置いたり、天井や壁に吸音材を貼ってみたりするのも一つの手である。
また、家族のいびきがひどくて目が覚めてしまう場合は、寝る部屋を分けるという解決策もある。しかし、大きないびきは睡眠時無呼吸症候群である可能性もあるので、あまりに音がうるさい場合は病院を受診させたほうがよいだろう。
あなたは眠るとき、音楽を聴くだろうか? 音楽は音刺激として脳で知覚されるので、睡眠中に音楽が流れていると睡眠が妨害される。音を感じる脳部位は睡眠中も活動しており、常に外部環境の変化をモニタリングしている。火事が起きた時に素早く逃げることができるのも、その一例だ。したがって、眠るときは音楽は聴かないほうが良い。
しかし、もし寝付きが悪くイライラしていたり、ストレスがたまっていたりする場合は、眠る前に音楽を聴くのも悪くはない。音楽による覚醒調整効果と気分誘導効果を利用して、眠りにつくまでにリラックスできるようにしてみてはどうだろうか。ストレスは寝付きを悪くするだけでなく、睡眠も妨害するので、できれば眠る前に解消したい。
どんな内容(雰囲気やテンポ)の音楽を聴くかによっても、リラックスの度合いが変わる。静かで落ち着いた曲を聴くと、覚醒度が低下し気持ちが沈静化するので、眠る時に聴く曲としてお薦めだ。ただし、眠りに入っても音楽が流れたままでは睡眠を妨害するので、消灯とともに音楽を消すか、タイマーなどを使って眠るころには自然に音が消えるようにするのがよい。
好きな曲を聴いてリラックス効果を得るのはいいが、逆に気分が高揚するような場合は避けたほうがよい。また、楽しい曲も覚醒度を上げるので、眠る時にはNGだ。
そこで、眠る準備に入る前に楽しい曲を聴いて、ストレスをできるだけ解消する。その後に静かな曲を聴くようにすると、リラックスしたままで覚醒度が下がり、眠るのに適した状態になる。
音楽の持つ覚醒調整効果と気分誘導効果によって眠る前にリラックスすることが、結果的に寝付きを良くすることにつながるのである。
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