なかなか眠れないと困っている人の中には、睡眠には不適切な生活習慣をしていたり、ストレスをため込んでいたりする人もいます。
今回は、よく眠るための方法をいくつか紹介します。自身の生活をチェックするとともに、睡眠改善に役立てましょう。
運動にはストレス解消や自律神経を整える働きがあり、良質な睡眠を促進することが知られています。しかし、ただ運動をすればいいわけではありません。運動の内容によっては、睡眠が良くなる場合と、悪くなる場合があります。睡眠にとって有効な運動方法は、下に挙げるようなものです。
週に3〜5回ほど、例えば、ジョギングやウオーキング、水泳などをほどほどに(その人の最大心拍数の70〜80パーセント前後の強度で)、20〜60分程度行うとよい。激しい運動は、かえって睡眠を妨げます。
無理をせず自分に合った運動を続けることが重要です。
また、いつ運動をするか?も快眠にとって重要です。
寝る直前の運動は、体温上昇を招き、寝付きを悪くします。人の体温は夕方ごろに最も高くなり、この時間帯に運動するのがよいでしょう。体温はその後、夜にかけて低下し、体温低下に伴ってスムーズに眠りに入ることができます。
ストレスは快眠最大の敵です。ストレスを受けることで交感神経が活発化し、睡眠に重要な副交感神経を抑制するからです。ストレスによる不眠を改善するには、ストレス源の除去が根本的な対処方法であるが、現実的には難しい場合が多いでしょう。
そこで、受けたストレスを軽減させ、睡眠の場に持ち込まないことが重要です。
嫌なことがあった時は寝る、という人もいるでしょう。これでストレスが解消できて、朝、快適に目覚めることができていれば良いでしょう。
しかし、寝付きが悪かったり、夜中に何度も目が覚めたりするようであれば、睡眠がストレスを受けた状態になっている可能性があります。
そこで、睡眠をストレス解消の手段とせずに、眠る前にストレスを解消し、睡眠にストレスを持ち込まないようにする必要があります。ストレスを解消するために、軽い運動、ストレッチ、アロマ、音楽や呼吸法など、各種リラクゼーション法が有効とされています。
睡眠にストレスを持ち込まないためには、昼間の悩みを寝床で考えたりしないことです。また、早く眠らなければなどと考えることは、神経を緊張させるので逆効果となります。緊張やストレスを高めるような思考はせず、なにも考えないか、リラックスできるイメージを想像するなどして心を落ち着かせるのがよいでしょう。
規則正しい食生活をして、空腹のまま寝ないようにする。空腹で寝ると睡眠は妨げられます。睡眠前に軽食(特に炭水化物)を取ると睡眠の助けになることがあります。脂っこいものや胃もたれする物を就寝前に食べるのは避けましょう。
脳は1日25時間を周期とする「概日リズム」に沿って動いているため、24時間のリズムに調節する必要があります。1日3食取り入れ、毎日同じ時間帯に食事を摂るようにします。
日本人は夕食を豪華にしがちですが、大きな偏りは身体のバランスを崩します。毎食のエネルギー量は朝:昼:夜を3:4:3。もしくは3:3:4の割合にするのが理想的だと言われています。
就寝前には水分の取り過ぎ、カフェイン、アルコール、ニコチンの摂取を避けましょう。。水分を取り過ぎると、夜中にお手洗いへ行きたくなって目が覚めてしまいます。カフェインの入った飲料や食べ物(日本茶、コーヒー、紅茶、コーラ、チョコレートなど)を取ったり、たばこ(ニコチンを含む)を吸ったりすると、睡眠は妨害されます。
眠るための飲酒は逆効果です。時間とともにアルコールが分解され、血液中の濃度が低くなると、覚醒効果が現れてしまいます。
一時的に寝つきが良くなるが、夜中に目が覚めやすくなります。
快適な就床環境のもとでは、夜中の目覚めは減るでしょう。
音対策のためにじゅうたんを敷く、ドアをきっちり閉める、カーテンを用いるなどの対策が手助けとなります。
寝室を快適な温度に保つことも大切で、暑すぎたり寒すぎたりは睡眠の妨げとなります。
いろいろ試してはみたがやはりよく眠れないという人や、よく眠っているにもかかわらず朝起きた時に十分に眠った感じがしないという人は、睡眠専門の病院(外来)を受診すべきです。
自分でも気が付いていない、不眠の原因が明らかになるかもしれません。
病院受診の際に役立つのが、日本睡眠学会のホームページである。睡眠医療に携わる学会認定医と学会認定医療機関が公開されています。
詳しくは、ホームページのメニュー「睡眠医療認定について」をご覧ください。
ただし、睡眠学会認定医や認定機関は、まだまだ少ないのが現状です。予約が取りづらいことも考えられるので、余裕を持って早めの予約をお勧めします。
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